顕微鏡歯科が地方では広まらない理由 続き①

6/8投稿の記事で、顕微鏡歯科が広まらない理由として以下の3つを上げた。

1、歯科医自身が漠然と治療は必ずやり直しが必要となり、治療を繰り返すと抜歯になってしまうのはしょうがないと考えている点。

2、抜歯になっても得意の欠損補綴でなんとかしてやれるし、欠損補綴こそ歯科治療の本質であると考えている点。

3、国民も歯抜けになることに不思議と抵抗感がないという点

この3つの問題点をかいつまんで言うと、

1の再治療や抜歯を容認する姿勢は、その事を問題ととらえるかどうか歯科医自身の意識の問題。2の欠損補綴を歯科の保守本流ととらえている点は歯科医自身の職業のとらえ方の問題。3の国民の歯に対する価値観の低さは国民性と保険制度の問題に分けられると思う。

ようは、歯科医の姿勢と仕事観を変え、国民の歯に対する意識を変えないと顕微鏡歯科も広がらない(ありがたがられない)というわけだ。

ここで、荒療治だが1つの解決策を書いてみたいと思う。

まず、歯科医の姿勢と仕事観を変えるのは、並大抵のことでは出来ない。削って詰めて、歯がない所には歯を作ってとういう事を生業とし、道具や方法が時代によって変われど、本質的なものは何も変わらないまま、延々と繰り返して今まできているわけで、これをいきなり変えろと言っても歯科医自身に変える事はできない。

歯科医の姿勢と仕事観を変えるには、最終ユーザーである国民が歯に対する意識を変えない限り変わらないと考えている。

そこで、国民の歯に対する意識を変える方法として、現実的に起こりえるかもしれない事体を想定して書いてみよう。

今、日本は国民皆保険制度で圧倒的多数の歯科治療もその保険制度下で行われている。悪平等の社会主義国家のような制度であるが、今まで国民も歯科医もその恩恵に預かってきた。

かたや日本の状況を見てみると、ここ20数年で国の借金が年々大きくなり、国債という形でずーっと借金の先送りをしてきている。その中でも社会福祉に対する国家予算は年々膨張するばっかりで、歯止めが効かなくなってきているのが現状だ。

実際3:11の大震災が引き金となり、日本国が借金で首が回らなくなるという事体がそこまで来ていると言われており、円安、株安、国債安、のトリプル安でハイパーインフレが起きて、経済がにっちもさっちもいかなくなる戦後混乱期のような状態になると予測されている。当然、税収は落ち込み、国債をあてにした予算も組めないので、その時の身の丈にあった生活(日本全体がむちゃくちゃ貧乏になるということ)を強いられるようになるのだが、ここで、社会福祉費は思いっきり削られるようになるはずだ。

社会福祉費にもいろいろあるが、その中の医療費も大幅に削られる事になるだろう。医療費の抑制方法としては4つが考えられ、(これは貧困大国アメリカより引用している。)

•健康保険がカバーするサービスを減らす。

•患者の自己負担を増やす。

•サービスの値段を下げる。

•医療費総額に上限をもうける。

現実には、この方法に近いやりかたで、すべて行われるかどうかするはずである。

歯科ではどうかというと、法律上は医療行為とは認められていない補綴行為は、自己責任の名のもと保険から外され、残った保険適用の部分もじわじわと自己負担率が上がって行くことが予想される。

こうなると、補綴行為はすべて自費診療となるので、虫歯で被せたり、歯抜けになっても簡単に歯を作る事は出来ない。

ここで初めて国民は気づくはずだ、「歯が悪くなって、穴が開いたり、歯抜けになったら大変だ!どうしよう?どうしよう?」と、すると予防歯科の必要性が本当に高まるだろうし、歯抜けにならないような虫歯や歯周病の初期治療、歯内療法をちゃんと行ってくれる歯医者さんを探すようになるだろう。国民皆保険制度のもと手軽に補綴行為を受けられていたのが、急に受けられなくなって初めて天然歯の価値観に目覚めるというわけだ。

歯科医自身も欠損補綴重視の姿勢を変えないとおまんま食い上げになるし、歯を保存するための予防や治療に力を入れざるを得ない。

国民の歯に対する意識(価値観)が上がって

歯医者も業態を変えざる得なくなる。

歯医者の仕事観が変わる

虫歯や歯周病の初期治療や歯内療法に有効な顕微鏡歯科が広まる!

これは、捕らぬ狸の皮算用なのだろうか?

続く

最後に応援よろしくお願いします。

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