歯内療法(歯の神経•根っこの治療)で一番大切なのは診断力!?

昨晩 ある勉強会で外科的歯内療法についてプレゼンさせてもらいました。

いくつか質問を受け、答え足りなかった分を復習もかねて書いてみたいと思います。

歯内療法(歯の神経•根っこの治療)で一番大切なのは診断力(場面、場面での判断力)と思っているのですが、感染根管治療(根っこの治療のやり直し)のとき「滲出液が止まらない時はどうするのか?」「どれくらい滲出液が止まればいいのか?」「判断にはペーパーポイントをたくさん使うのか?」「ペーパーポイントの濡れ具合で判断するのか?」等 いわゆる根充の時期について聞かれました。

言い足りなかったですが、

『まさにここは診断力がいると思います!』

滲出液が止まらないという現象は、根尖孔外(根っこの先の外)の組織に炎症が存在して起こる現象で、普通 滲出液がある状態で根充(開けた穴に薬を詰めてしまう事)すると歯内療法は失敗する確率が高くなります。

歯内療法では滲出液一つとっても考える事はたくさんあるはずです。

例えば、根尖孔外に慢性的な炎症が存在して滲出液が止まらないのかどうか?

それとも、その時の治療の刺激 機械的刺激(根尖孔外組織へのファイルやペーパーポイントを突き出すこと)や化学的刺激(洗浄液の漏洩など)などの一時的な刺激で滲出液が止まらないのかどうか?

慢性の炎症が原因であれば、その原因は根管の中にあるのか?外にあるのか?

滲出液を止めるためにはどうしたらいいのか?

何日か待っとけば止まるのか?はたまた全身的な投薬が必要なのか?

根尖孔外の原因が取り除けないときは、後で外科的歯内療法が必要なのか?

等 いろいろ症例によって判断しなければならないと思っています。

それを、言葉が足りず、医療行為の診断の難しさのニュアンス そこの所をうまく伝えることができなくて、真意が伝わらなかったと思います。

けど、以外とみんなそこら辺の感覚がわかっていないとも感じました。

『キレてますか?』

『いや、キレてないですよ。』

医療というものは、その現場に立ち会って実際症例を見て触って感じ取らなければ答えはで出ないと思っていますし、意識的にそういう経験を積む事でやっと的確な診断が出来るようになってくるのではないかとも思っています。(自分もまだまだです。)

はっきり言って、「どれくらい滲出液が止まれば根充出来るのか?」という質問には「ちゃんと止まるまで。」としか答えられず、多少の滲出液が問題とならない場合でもケース バイ ケースで違います。

滲出液を止めるためにペーパーポイントを大量に使うのかどうかとかではなく、患歯の具体的な症状や状況を示してもらわないとなかなか答えられないですし、実際自分で見てみないと的確な判断というのは出来ないことが多いというのが本当の所です。

 


あと、マイクロスコープを使用していない歯科医とはなかなか話が噛み合ないというのも感じました。

感染根管処置の時は古いGP(前の薬)を完全に除去すべきです。しかし、実際はGP 本当になかなか取れません。そこでGP除去の大変さを動画をみてもらいましたがその後、

「GPどうすれば取れるんですか?」とか「GPって完全に除去すべきですか?」とかの質問を受けました。この質問もあまりに当たり前というか率直すぎて…「その大変さを今、マイクロの拡大動画で見せたのに。」と説明していてちょっと空しくなりました。

僕の言葉が足りないのでしょうが、マイクロスコープを使用していない人とは、なかなか議論が噛み合わないと感じています。(悪い事は言わん、せめてマイクロぐらいそろえましょう!!!)

自分としては めげずにコツコツとやるだけです…





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