インプラントの欠点の1つとして、インプラントという異物(チタンなど)が生体内から口の中に突き出ているという事があります。
天然の歯も歯ぐきから突き出ているんですが、天然歯は元々生まれ待ったもの、歯ぐきが健康であれば、上手い事歯と歯ぐきがくっついていて、歯周炎などにもある程度の抵抗性を示します。
インプラントは、インプラントの周りの歯ぐきがインプラント体と疑似付着(ゆるーくくっついているような感じ)を起こしていて、ざっくり言うとインプラントの周りの歯ぐきは、天然の歯に比べ抵抗性が劣ります。
なので、インプラントを入れている人は、インプラント部の歯ぐきが炎症を起こさないよう綿密な掃除が必要で、プラス 清掃しやすい形にインプラント上部の歯を作ってやるとか、清掃しやすい歯ぐきを作ってやるという配慮が必要になります。
その上でインプラント部の歯磨き指導をしてもらい、歯ぐきに炎症が起こってないかどうか定期的にチェックしてもらう必要性があるわけです。
プラス本人の健康状態がよくて、体の免疫力を維持しているというのも重要だと思います。
インプラントが失敗する大きな原因の1つとして、「インプラント周囲炎」が上げられますが、「インプラント周囲炎」は天然歯における歯周炎とほぼ同様と考えられます。
大多数の成人に歯肉炎や歯周炎が認められることや、インプラントは天然歯よりも周りの歯ぐきに炎症を起こしやすいことなどを考えると、インプラントを入れた人は、定期的なチェックやメンテナンス、厳密な清掃が必ず必要になります。
それに、「インプラント周囲炎」が進んだ状態を「peri-implantitis」と言いますが、「peri-implantitis」になると天然歯の歯周病と違って、ほぼ治らないと言われています。
8/6か8/7の宮崎日々新聞にも地方紙ながら安易なインプラント治療に警鈴を鳴らす記事が載っていました。
今、インプラントはマスコミからバッシングを受けています。バッシングを受けてからあわててどうこうするんではなくて、これを機に歯医者さんも患者さんも、インプラントが本当はどういう治療方法なのか見直す良い機会にすればいいでしょう。
歯科界は今も昔も「歯が無い所にどう歯を作るか?」ばかりが注目されていて、「欠損補綴(歯が無い所に歯を作る方法)」が歯科の本流みたいな扱いですが、これからは「歯を失わないようにするためにはどうしたらいいか?」にシフトして行くべきです。少なくともウチはその方向性に進んでいます…
なぜ、こんなコラムっぽい記事を書いたかと言うと…
インプラント治療後2年間来院が途絶えていた患者さんが立て続けに2名来たから。www
幸いなんともなくてよかったですが、いつも心配なんで地元でも歯医者さん見つけてメンテ通って下さいね。
2年前
2年後 ♫(^^)