ビスポークな総入れ歯②

南九州で限りなくニッチ分野を狙っている

岡歯科です。( `・ω・´) キリッ


前回の続き

透明な仮の入れ歯:横から見た所

何となく調和がとれた美しい形

 

だって初診がコレですからね、段違いです。^^

 

なんで透明かというと、当たりが出た時にどこが当たってるのか確認しやすいという事と、入れ歯にかかる噛む力が均等にかかっているか見るためです。

この透明な入れ歯に軟性の裏打ち材をして、24時間使ってもらいながら、頬や唇や舌の動きに合わせた『入れ歯のふちの形』を作って行きます。早い人で1ヶ月ぐらい、噛み合わせを探って行く場合は3ヶ月ぐらいで終わります。


 

薄っすいピンク色をした入れ歯からはみ出てるのが、軟性の裏打ち材です。

 

僕は好んでCOE-SOFTという軟性の裏打ち材を用います。最初は柔らかく、しゃべったり、食べたりするとき頬粘膜や舌が動いてCOE-SOFTの形が変化していくんですが、最終的には入れ歯のふちを包み込んで、入れ歯が動かない(外れない)形を段々と作って行きます。これが機能印象(型採り)です。

一般には白いT-condというヤツがよく使われてますね。

このCOE-SOFTは圧が加わると段々硬くなっていく性質があって、寝てる間も入れ歯をはめて、24時間使ってもらうと1ヶ月ぐらいで硬ーくなります。

仮の入れ歯はパンツといっしょでお風呂以外はずーっとつけたまま、入れ歯もお風呂で外して石けんでキュッキュッと洗ってもらうよう指導しています。

 

このケースの場合、バイト(噛み合わせ)は問題なかったので、1ヶ月ほど機能印象(型採り)を行ないました。

 

1ヶ月後の上顎です。

上顎は基本最初の印象で形態をほぼ決めてしまいます。なので、裏打ち材も入れ歯のふちだけ、最初の印象がピッタリいけば調整することはない場合が多いです。

 

1ヶ月後の下顎です。

下顎は全面裏打ち材を敷きます。総入れ歯のときトラブルを起こすのは舌がある下顎の場合が多く、このケースでも顎の土手が吸収されすぎていて、痛みを取ったり安定させるのに1ヶ月ぐらいかかりました。

 

1ヶ月後横から見た所

この仮の入れ歯の段階で、不具合や痛み等を調整して取って行き、問題なくしっかり噛める所まで作り上げて行きます。

入れ歯で一発完成させて問題ないケースは、顎の土手がしっかり残っていて、顎関節にも問題ない場合というのがほとんどで、そんな人は普通に保険の入れ歯で作ってもすんなりいきます。

入れ歯でトラブルを起こし上手くいかない人の多くは、歯医者さんが下手というより、(歯医者さんの上手い下手もあることは、ありますが…)患者さん自身に上手くいかない何らかの問題を抱えていている場合が多く、当然その問題を解決しないかぎり噛める入れ歯は手に入りません。

すべてのケースではないですが、顎の土手が高度に吸収して入れ歯が安定しない人とか、顎関節や使っている入れ歯に問題を抱えていて、バイト(噛み合わせ)が定まらない人などの問題解決手段として、仮の入れ歯をワンクッション入れると上手くいく場合があります。

 

仮の入れ歯で不具合無く噛めるのが確認できたら、それをコピーして最終の入れ歯に置き換えて行きます。

 

最終の入れ歯 正面

下顎は粘膜面の痛みが仮の入れ歯でもなかなかとれなかったために、弾性の裏打ち材(クッションみたいなもの)を一層敷いています。

 

最終の入れ歯 横

 

最終の入れ歯 後

やっぱりこの後ろ姿はいい!(*´Д`)ハァハァ

 

最終の入れ歯 上顎

e-Haブレードティースを使いました。割と何でもガンガン噛めて、破砕効果が高い人工歯です。

 

最終の入れ歯 下顎

強いてこの王手デンチャーシステムの欠点をあげると、完成した入れ歯の調子がいいと、しばらくすると定期検診に来てくれなくなるんですよ。

けど、入れ歯も物ですから、使ってくるうちに人工の歯がすり減ったりしてきます。そうすると人工歯の交換が必要なんですが、

この人もしばらく来てくれません…


ちゃんとした入れ歯作れば、少しづつ手直ししながらずーっと使えるんで、調子悪くなって来るんじゃなくて、1年に1回は定期検診に来て下さいね!(^^)

 

こうなる前に。(;´Д`)


 


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