i-Tfc System おでん君作戦

この前、埼玉県のスーパードクターKことデンタルクリニックK JIADSの渥美克幸先生にファイバーポストの前処理方法を教えてもらったので、さっそく実践しています。(^^


ウチで採用しているファイバーポストはスーパーボンドで有名なサンメディカル社製の『i-Tfc System』です。これはファイバーポストの真ん中に光ファイバーを編み込んでいて、光をあてた時光ファイバーを通して根っこの深部まで光が届き、根っこの奥のレジンをキッチリ硬化させるってコンセプトの製品です。

通常レジンは光重合(光を当てると硬化する)タイプが多く、接着処理(ボンディング処理)を施した歯に柔らかいレジンを填入し、光を当てると硬化して歯と接着する。という製品がほとんどです。

しかし、ファイバーコアの場合は光が届きにくい根っこの深部にレジンを入れるので、光重合タイプレジンでは光が届かずレジンが硬化しない場合もあります。なので、レジンコア製品の多くはデュアルキュアタイプ(レジンAとレジンBを混ぜて硬化する化学重合レジンと、光を当てても硬化する光重合レジンの性質を合わせたもの)となっています。

ただレジンとしては化学重合より光を当てた方がしっかり硬化して歯とくっつくので、出来るだけ光照射してレジンを固めた方がいいわけです。i-Tfc Systemは光ファイバー入りのファイバーポストを用い、根っこの深部まで光が届くようにしてレジンを光重合でしっかり固めるという面白いコンセプトの製品なんです。


ファイバーコアの場合『根っことコア用レジンとファイバーポスト』の3つを接着一体化させる(モノブロック構造を作る)のがミソと前にも書きましたが、

①根っこの中のキッチリとした清掃

②確実な接着処理(ボンディング処理)

③隙間無いレジンの填入

④補強の心棒となるファイバーポストとレジンとの接着

上記の四つを確実に行なう必要があります。(他にも色々とありますが長くなるんでここでは割愛…)岡歯科では一連の作業をラバーダム防湿して、マイクロで確認しながら進めています。

今回は④の心棒となるファイバーポストの接着強化方法を教えてもらいました。ファイバーポストは、グラスファイバーの繊維を編み込んで固めて作ったものですので、事前に接着処理をしないとコア用レジンとガチガチには接着しません。

モノブロック構造を達成するため、出来るだけファイバーポストとレジンの接着強化を計りたいわけですが、以前はファイバーポストにシランカップリング材塗布+加熱という接着前処理をしていました。

渥美先生に教えてもらったi-Tfc Systemならではの方法は、


事前にファイバーポストを適当な長さに切って


清掃のためエッチング処理


超音波洗浄器でエッチング材を洗浄したあと

プチオーブンで確実に乾燥させます。



プチオーブンってこれ

セラミックインレーなど、セット前のシランカップリング材塗布後の加熱処理のため買いましたが、年々シランカップリング材も良くなってきていてメーカー曰く熱処理必要ないと…Σ(゚д゚lll)ガーン マジデスカ?


遮光ビンに入れたレジン系補綴物表面滑沢硬化材の液体の中に入れて二日以上置き軽く煮込む(嘘

 

レジン系補綴物表面滑沢硬化材ってこれです。

ヘレウスのパラシール


各サイズごとに取り分けて保管


というおでんみたいな処理をすると、液がファイバー繊維の中に染み込んで、コア用レジンとの接着強化が計れるというやり方を教えてもらいました。


名付けて

『ファイバーポストおでん君作戦』


煮汁が上手いんだこれが…




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