患者さんに分かりやすいファイバーコアの動画を作ってみたのですが、どうでしょうか?
補足の説明はBlogで書きますんで、合わせて読んでみて下さい。
約10年ぐらい前からオールセラミックスクラウンの登場と共に、盛んにファイバーコアという方法が広まりました。
ファイバーコアって、コア用レジンの中にしなりがあるグラスファイバー製の心棒を入れて、レジンコア自体を折れにくくしたものです。
HPでもファイバーコアを紹介していますが、書いてある枯木理論は今、否定されてます。それよりも健康な歯質を多く残すというほうが大切です。
この術式のミソとして、根っこの歯質とコア用レジンとグラスファイバーの心棒を接着させて一体化させる。=モノブロック構造を作るという事が上げられます。
なので、確実な接着操作のためラバーダム防湿して術野の明示、根っこの中の歯質の清掃、レジン接着前処理(ボンディング処理)、コア用レジンの確実な填入 をマイクロで確認しながら行なう事。グラスファイバー心棒のシランカップリング処理(接着前処理)が大切になってきます。
けど、どんなに注意してやったってファイバーコア折れるときは折れます!歯肉縁上(歯ぐきより上の部分)の歯質が残っているときはわりかし大丈夫なんですけど、大体 再治療でコア建てなきゃ駄目だ〜って歯は、歯肉縁上の歯質があんまり残ってない場合が多く、根っこの歯質も薄くなってる場合が多いです。
しかも、マイクロで見ると根っこに細かなヒビが入っていて、歯肉縁上歯質がなく、矯正治療(エクストルージョン 35,000円 税別)して根っこを引き上げないと残すのは厳しいって場合もあります。
昔はファイバーコア 動画の前半のようにシングル(1本)のグラスファイバー心棒を入れて、後はコア用レジンで埋めてってやり方でした。根っこの歯質があまり残ってない時は、太目のグラスファイバーの心棒で対処してたんですけど、シングルファイバーコアで何症例か4〜5年ぐらいで折れてくる場合がありました。
折れてくる症例に大体共通していることは、歯肉縁上歯質が残ってなくて、シングルグラスファイバーで、上の前歯が多かったです。(ウチではですが…)
それを踏まえて現在は、歯肉縁上歯質が残ってなくて、根っこの歯質も残っていない、根っこに細かなヒビが入っている けど、抜歯するにはもったいないなんて時は、グラスファイバーの心棒を多く用いたマルチ(複数の)ファイバーコアで対処しています。(天川 丹先生に顕微鏡歯科学会の時、教えていただいた方法です。)
マルチファイバーコアの結果がでるのは、これから年数が経ってからなんでしょうが、根っこのグレードが低い時など、根管充填材に従来のゴム系のガッタパーチャなどを用いず、MTAというセメントを用いるとか、(ガッタパーチャは基本ゴムなんで根っこの歯質とは一体化しません。MTAはセメントなんで固まると根っこの補強にはなるんでないか?と考えています。)
ガッタパーチャを用いるときは、根っこの中のガッタパーチャの量を減らし、根っこの先端付近だけにして、あとはコア用レジンで埋め補強するという配慮はしています。
コアを作るまでが根っこの治療という考え方なので、根っこの歯質とコア用レジン、グラスファイバーの心棒でモノブロック構造(一体化)を作れれば結構いけるんじゃないか?という感触はあります。もちろんマイクロで確認しなからじゃないと、テクニック的に難しいです。
ただ症例によっては、ファイバーコアでは厳しいって時もあります。そんな時は従来の金属製ゴールドコアで対処しているんですが、金属製のコアの場合は根っことの適合性(フィット)という要素が一番大切だと思います。
コアの形作りと精密印象を行ない、腕がある技工士さんに作ってもらう必要があるのですが、残念ながらこれは保険診療では出来てません。(保険診療で使える銀のコアは適合性が悪く、精密印象出来ないので、スカスカのなんちゃってコアが多いです。)
最後に、コアを色々と工夫しても根っこが割れるときは割れて抜歯になります。一番はコアを建てないでいいように、一番最初の根管治療の段階で健全な歯質を多く残し治療を終えるような配慮をすることが必要です。
それよりも前に、根管治療が必要にならないような虫歯治療や予防をしていくことが最も大切になってきます。(根管治療しなければコアは必要ないですからね。)
それには患者さん自身が自分の歯を大切にするという意識を持つ事が重要で、オカシカブログもそういう意識を持つ人たちの参考になればと思い書いてますが、脱線が多いですね。ヾ(ーー )ォィ
動画を見れば、たぶんちゃんとした治療の大変さに気づきますし、安易に治療を受けていいものかどうか?もよく考えるようになってくれないかな〜。ドォスル??(*´・д・)ノ(・д・`*)ドォシヨッヵ・・・