毎月第3火曜日の8時からMIRGという勉強会に参加させてもらっています。
MIRGとは、ミヤザキ インプラント リサーチ グループ の頭文字をとった歯医者さんのスタディグループで、みんな順番に症例発表しながら検討会を行ないます。
インプラントリサーチグループだけあって、内容はインプラントをからめた発表が多いのですが、8月21日の例会は珍しく総義歯(総入れ歯)の発表がありました。
N先生 参考になりました。お疲れさまでした!
総入れ歯のいい復習になったという事で、過去の症例を^^
入れ歯の型採りをしたあと石こう模型を咬合器に付けた状態です。
横から見ると、
上顎:前歯があった所はフラビーガムといって歯ぐきがブヨブヨしてました。
下顎:土手が無くペラペラです。
総入れ歯って、最初の個人トレー(型採りのわくみたいなもん)を作る印象(型採り)から成否がきまっちゃうんですよね、印象って大事なんですよ。
その個人トレーで採った上顎の印象(型採り)
フラビーガムはブヨブヨして押さえつけると、反発して入れ歯が動く力がかかりますので、圧がかからないように配慮して型採りしています。
個人トレーで採った下顎の印象(型採り)
この印象で上手くいくかどうか?決まっちゃいます。端的に言うと入れ歯の成否は印象(型採り)とバイト(噛み合わせ)です。
で、そのバイト(噛み合わせ)、歯科関係者じゃないと『?』の写真なんですが。(^^
ゴシックアーチトレーシングの略です。総入れ歯の場合は上下に歯がないので、患者さんは何処で噛んでいいのかわかりません。
噛み合わせを歯科医側が任意に決めて行く必要があるのですが、噛み合わせを決めるときズレがあると、顎関節に問題を起こしたり、入れ歯が動いて噛みにくかったり、いろんな問題を起こす場合があります。
この大切な噛み合わせを決める指標となるのがGoAです。正しい噛み合わせの位置のほか、GoAでいろいろ分かる事もあります。この場合は右側の顎関節の動きが悪いので右顎関節に何らかの問題がある事が予測できるのですが、GoAはきれいに三角を描けていたし、噛み合わせも1点で収束していたので、噛み合わせが安定した入れ歯を作ってやれば、顎関節にも将来は問題は起こさないだろうと判断しました。
話は変わりますが、GoAは歯が残っている時も使えます。例えばほぼ全部の歯を削って被せないといけない時など、正しい噛み合わせの位置を歯医者さんが探して決めないといけません。
歯がある時のGoA
この写真も歯科関係者以外は『?』ですね。(^^
んで、印象(型採り)とバイト(噛み合わせ)が終わって、技工士さんに仮の入れ歯を作ってもらいます。
総入れ歯の時は、食べたり、しゃべったりする時 入れ歯が落ちたり、動かないようにしなければなりません。
歯ぐきの土手がしっかりあれば、1回目の印象(型採り)で完成させちゃって大丈夫なんですが、こんな土手が吸収して無くなっている人は、しゃべったり食事をしたりして唇や舌が動くと頬粘膜(ホッペタの内側)が動いて入れ歯を動かす(外す)力がかかります。
頬粘膜(ホッペタの内側)が動いても入れ歯のふちを包み込んで、入れ歯が動かないような形に入れ歯の形態を作り上げる必要があるのですが、その方法を 機能印象と言います。
ざっくり言うと、1回目の印象(型採り)で作った仮の入れ歯を、使ってもらいながら不具合を修正しつつ、その人にぴったり合った完全オーダーメイドの入れ歯を作るって感じでしょうか。
入れ歯をビスポークで作るといったら
わかりやすかもしれません。( `・ω・´)キリッ。
仮の入れ歯:透明なんですよ。
裏側から見た所:この写真好きだ〜。モェ〜ヽ(❤´д`❤)ノ
限りなくニッチを探しています…
続く!