歯牙の挺出(小矯正)

歯牙の挺出は1歯単位の矯正治療です。岡歯科では矯正治療もちょこっとやっていますので、Blogでも少しづつ紹介出来ればと思います。(^^


虫歯が深かったり、歯の根っこにヒビが入って臨床症状が出ていれば普通抜歯になる事が多いのですが、「あくまで長持ちすればラッキー。」という事を了承してもらえたらこんな治療も出来ます。(すべての深い虫歯や破折歯根に適応できるわけではありません。

初診時レントゲン写真

専門的で申し訳ないのですが…#45(右下小臼歯)の近心に破折が原因と思われる骨欠損像が認められます。患者さんは「何か歯がグラグラする。」という主訴でした。

歯の根っこ治療が終了した時のレントゲン写真

この時点で根っこの近心(右側)に破折線を確認しています。

根っこの挺出(小矯正)開始

破折線を骨縁上に引き上げてしまえ!っていう作戦です。

挺出(小矯正)終了時

なんとなく根っこが上に上がって来てるのが分かりますでしょうか?

破折歯根をくっつけるマルチファイバーコア

後戻り防止のため、隣の歯とくっつけて一ヶ月ぐらいそのままです。

その時のレントゲン写真

初診時レントゲン写真と比べると根っこが上がってきているのが分かると思います。患者さん目線で見ると微妙で分かりにくいかもしれません。(汗

仮歯を作って少し近心へ移動

清掃性を考慮して、歯と歯の中間ぐらいに治療歯をもってくるため行なっています。

仮歯を外して外科処置

なるべく術後の痛みと治りが早くなるように、歯肉溝から切開を加えて骨整形しています。マイクロがあるとよりやりやすいかもしれません。挺出(小矯正)の時は必ず外科処置が必要です。

最終の被せ物をした所

外科後5ヶ月ぐらいは仮歯で過ごしてもらいます。矯正後は必ず後戻りと言って歯が元の位置に戻ろうとする力が働きますので、最終補綴(被せ物)までは結構期間を置いたほうがいいと考えています。

終了時レントゲン写真

近心の骨欠損もレントゲンでは無くなりました。キタ━(・∀・)━!!

もう一度言いますが、あくまで最後の延命処置なんで、これで今後何かトラブルを起こせば抜歯になる確率は高くなるという事を了承してもらえればこういう治療もできます。インプラントをどうしても避けたい方やなんとか抜歯したくないと考えている方は考慮するのもいいかもしれません。

ただ深い虫歯だけの場合は大丈夫なんですが、破折歯根は大概抜歯を進める事が多いです。破折の程度にもよるんですけど、臨床症状が出てる(破折の沿って骨欠損が進んでる)歯は結局抜歯になる事が多いっていうのが現状なんですよね、なんとか助けてあげたいんですけど…


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